50代の派遣で有給休暇は取れる?申請先・伝え方と断られたときの確認事項

休暇の予定と書類を確認する50代女性 派遣の基本知識

通院や家庭の用事で休みたいけれど、派遣先が忙しくて言い出せない。50代で働き始めたばかりだと、誰に伝えればよいのかも迷いますよね。

有給休暇は、派遣で働く人も条件を満たせば取得できます。年齢だけで対象から外れるものではなく、申請先は雇用主である派遣元です。派遣先への業務連絡とは分けて考えると、確認する順番が見えてきます。

この記事では、付与条件と残日数の確かめ方、派遣元への伝え方、取れないと言われたときの確認事項を整理します。自分の希望日を伝えるための文例も用意しました。

出典:東京労働局「よく聞かれるご質問集(派遣社員として働いている方へ)」

派遣でも有給休暇は取れる|まず付与条件と残日数を確認する

派遣だから有給休暇がない、と決めつける必要はありません。ただし、付与される条件を満たしているかと、今何日使えるかは別の確認です。勤務条件を確認したうえで、マイページや派遣元の窓口で残日数を調べてみてください。

継続勤務と出勤率の条件を確認し、派遣元で残日数と期限を確かめる図

6か月の継続勤務と出勤率を確認する

法定の基本条件は、6か月継続して勤務し、その間の全労働日の8割以上出勤していることです。一般の労働者は、この条件を満たすと初回10日の年次有給休暇が付与されます。会社が法律より有利な前倒し付与などの制度を設けている場合もあります。

週の所定労働日数が4日以下で、所定労働時間も週30時間未満の場合は、勤務日数に応じた比例付与になります。たとえば週3日・週30時間未満で働く人が、6か月の継続勤務と8割以上の出勤という条件を満たした場合、初回の法定付与日数は5日です。

出典:厚生労働省「年次有給休暇をとる条件は?パート労働者でももらえますか?」

自分の勤務条件は、次の3点で確かめられます。

  • 派遣元との雇用が始まった日
  • 週の所定労働日数と所定労働時間
  • 年休の起算日と出勤率の扱い

派遣会社への登録日が、そのまま継続勤務の開始日になるとは限りません。また、派遣先が変わっただけで必ず勤続期間がゼロに戻るとも限らないため、派遣元との雇用の続き方を確認してください。

出典:東京労働局「よく聞かれるご質問集(派遣社員として働いている方へ)」

付与日・残日数・申請方法を派遣元で確かめる

実際に使える日数は、派遣元の記録で確認します。一般的な付与日数を知っていても、過去に取得した日や繰越分があると、現在の残数はそれだけでは分かりません。

年休の権利は原則2年で時効となり、その年度に使わなかった分は翌年度へ繰り越されます。どの付与分がいつまで使えるのか、自分の記録で確かめておくと、期限が近い分にも気づけます。

出典:厚生労働省「年次有給休暇をとる条件は?パート労働者でももらえますか?」

マイページに表示がなければ、派遣元へ次の項目をまとめて問い合わせてください。

  • 現在の残日数と利用期限
  • 次の付与予定日
  • 申請フォームや担当窓口
  • 社内の申請期限と派遣先への連絡手順

「何日前まで」という全国一律の日数を前提にせず、自分の派遣元の手続きを確認します。表示が分からないときも、残日数を推測して申請するより、「残日数と期限、申請先を教えてください」と聞くほうが確実です。

有給休暇の申請は派遣元へ|派遣先への連絡と分けて進める

有給休暇の申請と、現場での引継ぎは、目的の異なる手続きです。派遣先の上司に休みたいと話しただけで、派遣元への申請まで済んだとは考えず、正式な手続きを確認してください。連絡の順番は派遣元の案内に沿って進めます。

有給休暇の申請先は派遣元、業務連絡と引継ぎの相談先は派遣先と分けた図

希望日と申請手続きを派遣元へ伝える

派遣元には、希望日と取得したい単位を具体的に伝えます。雇用主は派遣元なので、現場での話とは別に年休申請が必要です。

出典:東京労働局「よく聞かれるご質問集(派遣社員として働いている方へ)」

たとえば終日の取得を希望するなら、次のように伝えられます。これは実務上の文例で、法律で決められた必須書式ではありません。

申請の文例

○月○日に、終日の有給休暇を取得したいと考えています。残日数はマイページで確認済みです。申請方法と、派遣先への連絡手順を教えていただけますでしょうか。

残日数が分からなければ、「残日数も併せて確認をお願いします」と置き換えれば十分です。通院の予定であっても、最初の連絡で詳しい病状まで書き込む必要はありません。年休の利用目的は原則として労働者の自由とされています。

出典:厚生労働省「年次有給休暇をとる条件は?パート労働者でももらえますか?」

派遣先には担当業務と引継ぎを確認する

派遣先には、派遣元から案内された経路で不在予定を伝え、担当業務の引継ぎを相談します。年休申請の手続きと区別して、当日に困る作業がないか整理するためです。

たとえば入力業務なら、次のような引継ぎメモを作れます。以下は仮の例です。

  • 前日までに終える作業:当月分の入力
  • 共有するもの:処理済み一覧と保存先
  • 当日に対応が必要なこと:未処理の問い合わせ
  • 確認したいこと:不在中の問い合わせを引き継ぐ担当者

自分で代わりの人を確保できなければ休めない、と当然の条件にする必要はありません。厚生労働省の通達では、派遣元と派遣先の間で、代替労働者の派遣や業務量の調整などを行う考え方が示されています。

出典:厚生労働省「派遣労働者に係る労働条件及び安全衛生の確保について」

引継ぎ先が決まらない場合は、一人で抱えず派遣元へ相談してください。引継ぎは仕事を円滑に進める準備であり、有給休暇を使う権利との交換条件ではありません。

有給休暇を取れないと言われたら、理由と回答を記録して再確認する

「その日は難しい」という返答でも、手続きの確認が必要なのか、別の日への変更の話なのかで対応は変わります。その場で諦めたり、連絡をしないまま休んだりせず、誰がどのように判断したのかを確認しましょう。現場での返答だけなら、派遣元への再確認が次の行動です。

理由と回答の記録、派遣元への再確認、公的窓口への相談という3段階の図

「忙しいから無理」の内容と時季変更かどうかを確かめる

年休は原則として希望する時季に取得できます。ただし、その時季の取得が事業の正常な運営を妨げる場合には、使用者が別の時季へ変更する「時季変更権」が認められています。

出典:厚生労働省「年次有給休暇をとる条件は?パート労働者でももらえますか?」

派遣先が忙しいという事情だけで、直ちに派遣元が時季変更権を行使できるわけではありません。実際に変更が認められるかは、具体的な状況に応じた判断になります。

出典:厚生労働省「派遣労働者に係る労働条件及び安全衛生の確保について」

確認するときは、次の点をメモに残します。

  • 誰から、いつ回答されたか
  • どのような理由で難しいと言われたか
  • 別の日への変更なのか、取得自体を認めないという意味なのか
  • 派遣元と派遣先で、どのような調整をしたのか

たとえば派遣先から口頭で断られたなら、派遣元へ「現場では難しいと言われました。年休申請の扱いと、日程調整が必要な理由を確認したいです」と伝えられます。

「忙しければ必ず変更できる」「断られたら必ず違法」と即断せず、回答の内容を確認してください。年齢が原因だと推測するより、具体的な説明を求めるほうが、次の相談につながります。

派遣元で解決しないときは公的な相談窓口を利用する

担当者とのやり取りで解決しない場合は、派遣元の責任者や苦情相談窓口にも確認します。相談の際は、希望日、残日数、申請した日、これまでの回答を一つにまとめておくと、状況を伝えやすくなります。

回答が得られない、説明に疑問が残るときは、公的な窓口を利用できます。年休に関する法令上の問題は労働基準監督署へ、どこへ相談すべきか迷う場合は総合労働相談コーナーへ相談してください。厚生労働省の案内から地域の窓口を確認できます。

出典:厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」

手元には、次の資料を用意しておくとよいでしょう。

  • 雇用契約書や労働条件通知書
  • 年休残日数が分かる画面や記録
  • 申請内容と申請日の記録
  • メール、チャット、口頭回答のメモ

実際に契約更新をしないという通知も受けている場合は、年休の相談と併せて、雇用契約の終了日なども確認する必要があります。契約更新についての確認手順は、別記事で整理しています。

まとめ|残日数と申請先を確かめ、希望日を伝えよう

50代で派遣として働いていても、条件を満たせば有給休暇の対象です。申請先は派遣元、派遣先には業務連絡と引継ぎという役割を分けると、進め方が整理できます。

申請の準備を整え、予定帳を手に落ち着いて立つ50代女性

覚えておきたいのは、次の3点です。

  • 自分の付与条件、残日数、利用期限を確認する
  • 希望日を派遣元へ伝え、社内の申請手続きを進める
  • 難しいと言われたら、理由と回答を記録して再確認する

よくある質問

有給休暇は年5日しか使えないのですか?

5日は取得の上限ではありません。法定の年休が10日以上付与される労働者について、使用者に年5日の取得を確保する義務があるという意味です。本人は残日数の範囲で、5日を超えて取得できます。

出典:厚生労働省「労働者の方へ|年次有給休暇取得促進特設サイト」

派遣会社を変えたら有給休暇の残りも引き継げますか?

派遣元が年休を付与するという原則から、雇用主が変わる場合に、残日数が当然に新しい会社へ移るとは考えないでください。現在の派遣元へ雇用終了日・残日数・終了までの取得可能日を確認し、新しい派遣元の付与条件も別に確かめましょう。雇用関係の扱いに特殊な事情がある場合は、個別の確認が必要です。

出典:東京労働局「よく聞かれるご質問集(派遣社員として働いている方へ)」

タイトルとURLをコピーしました